※この記事は『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2』の結末までのネタバレを含みます.また,本作には性暴力,監禁,拷問などかなり強い描写があります.苦手な方はご注意ください.
「『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2』はグロいのか」というテーマについて,ヌクレ博士が研究します.
結論から言います.
ヌクレ博士評価:★★★☆☆ 3.5 / 5.0
胸糞からのエッグい復讐.最高の,一人でしか見られない映画でした笑
映像のグロさだけなら,僕は正直ぜんぜん大丈夫でした.ただ,話のエグさはかなり上です.前半はずっと救いがないし,性暴力の描写もあるので,誰にでも勧められる映画ではありません.
そして後半.
復讐が始まると一気に楽しくなる.
では蓋を開けてみよう.
『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2』はグロい?映像より話がエグい
まず「どれくらいグロいの?」という話からです.
僕は映像のグロさについては,ぜんぜんいけるくらいでした.血が出るし,かなり痛そうな場面もありますが,映像そのものが無理という感じではありません.
ただし,この映画はそこじゃない.
展開がエグい.
主人公のケイティがひたすら酷い目に遭い続けます.しかも一度助かったように見えてから,また地獄に戻される.僕の中では『子宮に沈める』の方がもっとキツかったですが,本作もかなり嫌な方向に強い映画です.
グロ映画初心者に勧めるかと言われたら,
無理でしょ.
僕の感覚ではSAWクラスのクセの強さです.しかもSAWみたいに「痛そう」で済む話ではなく,性暴力がかなり大きな割合を占めています.
家族やパートナーと見るのも厳しい.
別に復讐シーンを楽しんでいるところを見られたくないとかではなく,そもそも前半の性暴力を誰かと並んで見るのが気まずすぎる.
好きとバレたくないレベルです笑
ちなみに僕は2010年版の前作を見ずに,いきなり2から見ました.それでも話は普通に分かりました.なので,2だけ見ること自体は問題ありません.
ただ,前作との比較はできません.見てないので.
前半が胸糞すぎる|一度助かったと思ったのに
主人公のケイティは,ニューヨークでモデルを目指している女性です.無料の写真撮影に応募したことをきっかけに,アイヴァンたちと関わることになります.
そして,そこから全部が終わります.
前半の被害描写については,もうずっとかわいそうでした.ただ,僕が一番「うわ……」となったのは,最初の被害そのものより,逃げ出した後です.
ケイティは警察に保護されます.ここでようやく助かったかと思うじゃないですか.思わないけど.映画的にここで終わるわけないし.それでも,警察から紹介されたアナに裏切られて,また連れ戻されるとは思わないじゃないですか.
こいつら大丈夫か?
本当にここが一番救いようがなかったです.
一度地獄から出たのに,助けてくれる側だと思った人間まで敵だった.前半ずっと酷い目に遭っていましたが,精神的にはここが一番嫌でした.
アナもかなり気味が悪い
アナについては,単純な悪女とも言い切りにくい背景があります.劇中では,彼女自身も過去に酷い被害を受けていたことが分かります.
ただ,だからケイティを引き渡していいかというと,そんなわけはない.
しかも見ていて,なんとなく「この人もこの一家の中でずっと利用されてきたんだろうな」という感じがあるんですよね.
そこも含めて気味が悪い.かわいそうだから許せる,では全然ありません.むしろ,お前ももっとボコボコにされろよ.とは思いました.
警察ちゃんとしろよ.薬も飲まされたって言えばよくない?
ここは映画を見ながら普通にツッコんだところです.
ケイティが警察署に行ったとき,薬物を使っているのではないかと疑われます.でもケイティは,自分が薬を飲まされたことをきちんと説明せず,大使館へ行かせてほしいと話を切ってしまいます.
いや,薬も飲まされたでええやん.最悪,警察に拘束されたとしても,あの地獄へ戻されるより100倍マシじゃないですか.もちろん,ちゃんと説明したら絶対助かったとは言えません.ただ,見ている側としては「頼むから全部言え!」となりました.そして結果として,警察から紹介されたアナ経由でまた捕まる.
警察ちゃんとしろよ.
このレベルの犯罪を見逃すなよ.
ぶっちゃけタイム開始です.この映画,主人公側の判断も警察側の動きも,ところどころ「いやもうちょっと何とかならんかった?」が多いです.でも,その雑さも含めて話が地獄方向へ転がっていくので,映画としては止まらない.
腹立つけど見てしまう.
後半の復讐が最高|やられたことを,そのまま返す
そして後半.ここから一気に楽しくなります.ケイティは死んだと思われたところから生き延び,加害者たちへの復讐を始めます.
主人公,復讐のとき最高にエッジが効いてるね!
この映画の復讐で好きなのは,単純に殺すだけじゃないところです.自分がされたことや,言われた嫌な言葉を,そのまま相手へ返していく.
こういうの好きです.やられたことをやり返す.分かりやすい.
ジョージーが本当にキモい
僕が一番嫌いだったのはジョージーです.
最初にケイティを襲ったのもそうですが,その後も「自分は好かれている」と思いたがっている感じが本当に気持ち悪い.
きんもい.
復讐の場面では,ケイティが逆にジョージーへ「好きだと言え」という形で言葉を返します.ここが良い.ただ痛めつけるだけではなくて,前半で相手が言ったことを,後半でそのまま返す.
お腹を痛めつける復讐もかなりエグいです.
見ながら,いいぞ,やれやれ.
と思う一方で,痛そう.とも思いました.
この2つが同時に来るのがこの映画です.
あそこを挟むやつは,さすがに痛そう
もう一つ印象に残ったのが,万力で挟む場面です.
何を挟むかは,まあ察してください.
あれは痛そう.
めちゃくちゃ痛そう.
でも,前半ずっと酷い目に遭わされているので,もっとやれ.となるんですよね.
この辺りは完全に復讐エンタメとして見ていました.前半でストレスをひたすら貯めさせて,後半で一気に返す.話としてはかなり単純なんですが,だからこそ気持ちいい.
最後の倒し方は不満|そこはケイティにやらせてくれ
ただし,最後だけは不満です.終盤,ケイティはアイヴァンを追い詰めますが,最終的にアイヴァンを殺すのはキリル刑事です.
いやいやいや.
警察役立たずだったじゃん.最後だけお前が殺すんかい.ここはケイティ自身にやらせてほしかったです.あれだけ酷い目に遭わされたんだから,最後も本人の手で終わらせてほしかった.しかも僕は,もっと長く,もっと酷い復讐でもよかったと思っています.同じように海外へ連れて行って,長期間苦しませるとか,もっと徹底的にやってもいい.性暴力を含めて,されたことをそのまま返すくらいの復讐でも僕は見たかったです.
もちろん現実でやれという話ではありません.
映画の中の復讐として,そこまで徹底してほしかったという話です.
アナについても同じです.過去に何があったかは分かるけど,ケイティを裏切ったことは別です.
もっとやられてよかった.
だから復讐パートそのものはかなり好きなのに,最後だけ少し物足りない.
ここが★4まで行かなかった一番大きな理由です.
ツッコミどころは多い|ブルガリアどうやって連れて行った?
この映画,勢いで見ている間はかなり面白いんですが,冷静に考えるとツッコミどころも多いです.
一番気になったのが,ニューヨークからブルガリア,どうやって連れて行った?です.
ケイティは薬で意識を失った後,気づいたらブルガリアにいます.
いや無理あるでしょ.
国際線ですよ?空港ありますよ?出国ありますよ?入国ありますよ?どうした?
映画の中では,具体的にどう運んだのかは説明されません.もうちょっと考えようよ.と思いました.
隣人,何のために出てきたん?
序盤に登場する隣人も気になります.助けに来て,かなり意味ありげに殺される.そして終わり.
あの人,何だったん?
もちろん「逃げ場がなくなる」という意味はありますが,登場してすぐ退場するので,なんかもうちょっとあるのかと思いました.
ケイティ,急に強すぎる
そして復讐モードのケイティです.
強い.強すぎる.
そんなすごい人だったんですの?というくらい,加害者たちを次々捕まえて復讐していきます.それまで戦闘のプロだった描写があるわけでもないのに,突然めちゃくちゃ強い.
力強すぎだろ.化け物かよ.とは思いました.
ただ,ここはもう復讐映画なので仕方ない.面白かったからいいです.このくらい雑な方が,後半はむしろ気持ちいい.
総合評価|★3.5.グロエンタメとしてはかなり好き
最終評価は,★★★☆☆ 3.5 / 5.0 です.
グロエンタメとして,話のエグさ,前半の胸糞,そこからの復讐はかなり良かったです.特に,やられたことや言われたことをそのまま返していく復讐は好きでした.
ただ,最後の決着がちょっと弱い.もっとやれたでしょ.もっと酷い目に遭わせられたでしょ.そこまでやってくれたら★4だったかもしれません.
そして,やっぱり誰にでも勧められる映画ではないです.映像のグロさ以前に,性暴力の描写がかなり強い.一人で見る映画です.好きとバレたくない映画です笑
でも僕は好きでした.
胸糞からのエッグい復讐.最高でした.
ちなみに,僕は映画の評価を「完成度」だけではなく,自分にどれだけ刺さったかでもかなり決めています.逆に,見た目はかっこいいのに何にも刺さらなかった『クレイヴン・ザ・ハンター』は★2.5でした.
同じ映画でも,刺さるポイントがあるかないかで評価はかなり変わりますね.
以上,ご清聴ありがとうございました.
