「仕事に役立つ漫画は何か?」というテーマについて,ヌクレ博士が研究します.
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ヌクレ博士
ジャンプ大好き。ジャンププラス大好き。
感想記事やピンポイント解説を中心に書いていこうと思います。
仕事に役立つ漫画を調べると,『島耕作』『インベスターZ』『トリリオンゲーム』みたいな,仕事や経営そのものを題材にした漫画がたくさん出てきます.もちろん,そういう漫画から仕事を学ぶのも面白いです.
でも,僕が実際に仕事をしていて思い出す漫画は,全然違いました.
ヒーロー漫画だったり,バレー漫画だったり,宇宙飛行士の漫画だったり,石器時代から科学文明を作り直す漫画だったりします.
仕事のやり方を直接教えてもらったというより,仕事で迷ったときに「あのキャラクターならどうするかな」と考えたり,失敗したときに漫画の一言を思い出したりしてきました.気づけば,ビジネス書より長く使っている考え方もあります.
なので今回は,「仕事を題材にした漫画ランキング」ではありません.
僕が実際に仕事をする中で,考え方や行動へ影響を受けた漫画を本気で順位づけします.
では蓋を開けてみよう.
仕事に役立つ漫画を作品別に研究する
このランキングは「漫画として好きな順」ではない

最初にランキングの基準だけ整理します.
一番大きいのは,実際の仕事中にその漫画を思い出すかどうかです.失敗したとき,人を動かすとき,部下と話すとき,挑戦するとき,自分が折れそうなとき.そういう場面で何度も頭に出てくる作品ほど上に置きました.
なので,純粋な漫画ランキングとはかなり違います.作品として大好きでも,仕事ではあまり使わない作品は順位が下がります.逆に,たった一つの言葉を何年も仕事で使っている作品は強いです.
特に10位のブルーピリオドは,このランキングだけ見ると低く見えると思います.
でも,違います.
ブルーピリオドは仕事の漫画というより,僕にとって人生のバイブルです.仕事という物差しで無理やり順位をつけたから10位なだけです.
その前提で,10位からいきます.
10位〜6位|仕事の苦しさや,人との向き合い方を教えてくれた漫画
10位 ブルーピリオド|「好き」を他人に決めさせない
10位は『ブルーピリオド』です.
仕事で使える漫画ランキングなのに,いきなり仕事から離れます.
僕がブルーピリオドから一番受け取っているのは,「好きなことを好きと言うのは,思っているより難しい」ということです.八虎も世田介も龍二も,好きなものを持っているから幸せになるわけではなく,むしろそこから苦しみます.
努力と才能の話も刺さります.自分では死ぬほど努力したつもりなのに,「才能あるね」の一言でまとめられたときの複雑さも分かる.逆に「自分には才能がある」と思うことで前へ進めるときもあります.
世田介が八虎へ抱く嫉妬も好きです.「お前は他にもいろいろ持っているだろ.こっちまで来るなよ」という黒い感情は,綺麗ではありません.
でも,めちゃくちゃ人間です.
龍二との「一緒に溺れる」という話も,管理職になってから余計に考えるようになりました.僕は誰かが困っていると,すぐ解決策を投げがちです.でも,相手が求めているのは救命道具ではなく,一緒に苦しんでくれる人なのかもしれない.
仕事術だけなら10位です.でも人生全体なら,順位なんてつけられません.
ブルーピリオドについては,別記事でかなり深く書きました.
ブルーピリオドから人生で学んだこと|「好き」と才能に苦しむ大人へ刺さる名言
9位 GIANT KILLING|監督の仕事は,自分が活躍することではない
9位は『GIANT KILLING』です.
達海猛を見ていると,リーダーの仕事って「自分がすごいところを見せること」ではないよなと思います.選手の性格を見て,チームの状態を見て,必要なら負ける過程すら受け入れながら,最後にチームを強くしていく.
僕が特に好きなのは,負けることまである程度織り込んでチームのメンタリティを変えようとするところです.仕事では「失敗しない計画」を作りたくなりますが,本当に新しいことをやるなら,途中で負けることは普通にあります.
だったら問題は,負けたかどうかではありません.
その負けを何に使うかです.
達海は選手を一律に扱いません.人によって刺さる言葉も違うし,使いどころも違う.このあたりは,管理職としてかなり好きなタイプです.
あと,U-22へ選手を送り出す場面の「浅草代表」という感覚も好きです.大きな舞台へ行っても,その人がどこから来たのかをちゃんと残して送り出す.人を肩書きだけにしない感じが,すごく達海らしいと思っています.
8位 ワールドトリガー|一番強い人がリーダーでなくていい
8位は『ワールドトリガー』です.
仕事という意味では,もっと上でもいいくらいです.
三雲修は,戦闘能力だけ見れば決して強いキャラクターではありません.でも,自分が弱いことを理解したうえで,持っているものを全部使って目的へ進みます.自分にできないことは他人の力を借りるし,チームへ火の粉が飛びそうなら自分が前へ出る.
僕はこれを見て,プレイヤーとして優秀な人と,リーダーとして優秀な人は別物だと思っています.
現実の会社では,プレイヤーとして成果を出した人がそのままリーダーになることが多いです.でも,自分ができるから人にも同じことを求める,自分でやった方が早いから仕事を渡せない,という状態になったらチームとしては弱くなる.
一方で諏訪さんは,人の使い方がめちゃくちゃうまい.香取の性格を無理に変えず,使えるところで使う.面倒な判断を部下に丸投げせず,自分が負う.
僕自身は,真面目さまで含めると三雲より諏訪さん寄りだと思います.
口も悪いので.
でも,三雲の「手段を選ばず目的へ愚直に進む」部分は持っていたいです.
詳しくはこちらで書いています.
ワールドトリガーから仕事で学べること|三雲修・諏訪に学ぶリーダー論
7位 鋼の錬金術師|肩書きより人を見る
7位は『鋼の錬金術師』です.
ハガレンから仕事で学んでいることを一つにまとめるなら,「人を肩書きや正しさだけで見るな」です.
イズミが何者か聞かれて「主婦だッ!!!!!」と名乗るところが大好きです.すごい錬金術師だから偉いのではなく,肩書きを全部外してもイズミはイズミです.
僕は「部長が言ったから」「課長なんだから」みたいな話がかなり嫌いです.役職は権限として必要ですが,人間の価値まで上がるわけではありません.
クソ喰らえです.
一方でオリヴィエを見ると,権力を完全に無視するのも違うと思います.必要なら上へ取り入るし,権限も使う.でも,権力そのものに魂を売らない.自分の理想と部下を守るために使う.
マスタングの「現実を知っていても理想を捨てない」ところも,技術者としてかなり刺さります.経験を積むほど,できない理由はすぐ分かります.だからこそ,「無理です」で終わらず,もしやるなら何を変えればいいのかを考えたい.
ハガレンは仕事の話というより,人間をどう見るかという話です.
鋼の錬金術師から仕事で学べること|大人になって刺さる名言と仕事観
6位 ハイキュー!!|平凡でも,下を向いている暇はない
6位は『ハイキュー!!』です.
僕が仕事でめちゃくちゃ使っているのが,田中龍之介の考え方です.
「ところで平凡な俺よ 下を向いている暇はあるのか」
仕事って,普通に失敗します.自分の案が通らないこともあるし,思った結果が出ないこともある.僕も割と引きずります.
でも次の日には,また仕事があります.
そこで下を向いていても,昨日の失敗は消えません.だったら,もう一回やるしかない.
僕はこの切り替えをするときに田中を思い出します.
一方で北信介の「毎日やんねん ちゃんとやんねん」も好きです.僕はどちらかというと,新しいことをやりたがるし,地味なルーティンを軽視しがちです.だから北は自分と逆で,余計に刺さります.
派手な挑戦だけが仕事ではありません.誰にも褒められないことをちゃんとやり続ける人がいるから,組織は回ります.
新しいことをやれ.でも,毎日やることもちゃんとやれ.
両方必要です.
5位〜1位|僕の仕事観そのものに入り込んでいる漫画
5位 キングダム|リーダーは,まず自分が前へ出ろ
5位は『キングダム』です.
キングダムは,リーダーシップについて考える場面がめちゃくちゃ多い漫画です.
嬴政を見ていると,一番強く感じるのは覚悟です.大きなことを言うだけではなく,そのために自分が前へ出る.人に危険なことをやらせるなら,自分は安全なところから命令するだけではいられない.
僕は管理職でも,そこは大事だと思っています.
メンバーに面倒なことを頼むなら,自分も責任を取る.厳しい判断をさせるなら,最後に「君が決めたんだよね」と逃げない.矢面に立つ必要があるなら,上司が立つ.
信も好きです.めちゃくちゃ真っすぐに結果へ進む.あれだけ真っすぐなのに,人を巻き込んでいく.
一方で,王騎と桓騎を見ると「人はなぜこの人についていくのか」を考えます.特に桓騎は,僕がキラキラしたリーダーではないので惹かれます.
優しい理想の上司だけが,人を惹きつけるわけではありません.
ただ,桓騎がなぜあれほど人を惹きつけるのかは,僕の中でもまだ完全には言語化できていません.
分からないので,そこは分からないままです.
4位 ONE PIECE|全部自分でできないから,仲間がいる
4位は『ONE PIECE』です.
ONE PIECEは,仕事に役立つ理論を学ぶ漫画ではありません.
人間ドラマが熱すぎます.
特にアーロン編のルフィが好きです.自分には剣術もできない.料理もできない.航海もできない.嘘もつけない.だから仲間が必要になる.
僕はこの考え方がめちゃくちゃ好きです.
会社でも,「自分一人でできる人」が優秀だと思われがちです.でも,大きな仕事になるほど一人ではできません.技術を知っている人,調整がうまい人,細かいところに気づく人,思い切って前へ進める人.全部違います.
自分にできないことを認めて,できる人に頼る.
これはDr.STONEやワールドトリガーにもつながっています.
アラバスタ編の「仲間のためなら自分を犠牲にする」人たちも好きです.自己犠牲が常に正しいとは思いませんが,人を大切にするときに自分の損得だけで判断しない姿勢は,僕の仕事観にもかなりあります.
そして頂上戦争のあと,大きなものを失ったルフィが,まだ残っている仲間へ目を向ける.
失敗したとき,失ったものばかり見ない.
これはハガレンの「立って歩け」と同じように,僕が何度も戻ってくる考え方です.
3位 Dr.STONE|人間は全員違う.だから強い
3位は『Dr.STONE』です.
仕事のチーム作りという意味では,ほぼ教科書です.
千空は科学,大樹は体力と根気,カセキはものづくり,龍水は航海,司は戦闘,クロムは発想.誰か一人が全部できるわけではありません.
でも,全員違うから強い.
現実の会社を見ると,なぜか逆のことをやりたがります.幅広くできる人を育てようとして,専門家に専門外の仕事を大量にやらせる.数年ごとに違う仕事へ動かして,「いろいろ経験した方がいい」と言う.
全部やってたら何の専門家なんだよ.
僕は,優秀な人という言葉もあまり好きではありません.何ができたら優秀なのか分からないからです.大樹みたいに,一見派手ではないけれど,体力と根気が必要な場所では誰より強い人もいます.
管理職の仕事は,全員を万能にすることではないと思っています.
この人は何が得意なのか.どこなら一番力が出るのか.そこを見つけて置く方が大事です.
もう一つ千空から好きなのが,「分からないことを専門家へ任せる」ところです.技術の世界なんて広すぎるので,自分より若い人が一つの領域について自分の100倍詳しいなんて普通にあります.
そこでプライドで誤魔化さない.
「分からない」「できない」と言える人を,僕はむしろ信用します.
Dr.STONEについてはこちらでかなり掘りました.
Dr.STONEから仕事で学べること|千空に学ぶ適材適所と強いチームの作り方
2位 宇宙兄弟|本気の失敗には価値がある
2位は『宇宙兄弟』です.
宇宙兄弟は,僕の仕事観へ入っている言葉が多すぎます.
まず,
「本気でやった場合に限るよ 本気の失敗には価値がある」
これです.
僕は仕事で,新しいことへ挑戦して失敗した人を評価したいと思っています.成功した案件だけ並べても,本当に挑戦したのかは分かりません.失敗する可能性があるところまで踏み込んだから,失敗が生まれます.
だから僕は,失敗の数を挑戦の数として見ます.
もちろん,適当にやって失敗したら何でも素晴らしいわけではありません.宇宙兄弟の言葉にも「本気でやった場合に限る」とちゃんと付いています.
ここが好きです.
「俺の敵はだいたい俺です」も刺さります.仕事で本当に邪魔をしているのが他人ではなく,自分の怖さやプライドだったということは普通にあります.
さらに「It’s a piece of cake!」も好きです.難しいことほど,まず「できる」と言って自分を前へ出す.
そして僕が大好きなのが,三次元アリの話です.自分のいる場所だけでは道が見えなくても,一段上から見れば抜け道が見えるかもしれない.
批判されているときも同じです.
僕は「批判している人は,まだその道を知らないだけ」と思うことがあります.これは漫画の台詞ではなく,三次元アリの話から僕が勝手に持ってきた考え方です.
人と違う方向へ進んでいると,最初は「そっち違うよ」と言われます.でも,自分には別の道が見えているかもしれない.
本当に違ったら戻ればいいんですけどね.
宇宙兄弟は,失敗,挑戦,自信,視点,仲間,全部入っています.
仕事で迷ったときに思い出す回数なら,1位とほぼ同率です.
1位 僕のヒーローアカデミア|本気で仕事をするなら,気を遣って喧嘩しろ
1位は『僕のヒーローアカデミア』です.
これは迷いませんでした.
僕が仕事で一番使っている漫画です.
ヒロアカには,「本気で相手を見る」という場面が多いと思っています.デクと爆豪なんて,ずっとぶつかっています.お茶子とトガもそうです.相手を否定して終わるのではなく,何を考えているのか,本当は何が欲しいのかというところまで入っていく.
僕は会社でも,表面的に仲良くすることが正しいとは思っていません.
むしろ,本気で一緒に仕事をするなら意見はぶつかります.
ただし,相手を潰すために喧嘩するわけではありません.目的を見る.相手も見る.そのうえで言うべきことを言う.
だから僕の仕事上の言葉に変えると,
気を遣って,喧嘩しろ.
になります.
そして「なりてえもんちゃんと見ろ!!」も好きです.議論しているうちに,「相手に勝つこと」が目的になってしまうことがあります.でも本当の目的は何だったのか.プロジェクトを成功させたいのか,いいものを作りたいのか,チームを守りたいのか.
そこへ戻れという言葉として使っています.
最後はやっぱりPlus Ultraです.
失敗しても,反対されても,今いる場所からさらに向こうへ進む.
別の記事で,僕が実際の仕事へどう持ち込んでいるかまで書いています.
ヒロアカの名言から仕事で学べること|大人に刺さる「気を遣って喧嘩しろ」
僕にとって仕事で一番役に立った漫画は,ヒロアカでした.
仕事に役立つ漫画は,「仕事を描いた漫画」でなくてもいい
ランキングを作ってみると,改めてほとんどがビジネス漫画ではありませんでした.
ヒーロー,宇宙開発,科学,海賊,戦争,バレー,錬金術,SFバトル,サッカー,美術.
バラバラです.
でも,仕事って結局,人が何かをやる話なんですよね.
失敗する.誰かに頼る.嫉妬する.意見がぶつかる.自分より得意な人に任せる.人を守る.怖いけど前へ進む.
だったら,人間が本気で何かをやっている漫画は,だいたい仕事にも使えます.
ぶっちゃけ,漫画を読んで「この漫画からリーダーシップを学ぼう」とか考えながら読んでいるわけではありません.
普通に泣いてます.
そのあと仕事をしていて,同じような状況になったときに突然出てくるんです.
「あ,これ三雲だ」
「今の俺,田中だな」
「いや,ここは諏訪さんだろ」
「Plus Ultraするしかねえな」
そうやって何年も残っているものが,本当に自分へ影響を与えた漫画なんだと思います.
ビジネス書を読むのも好きですが,僕の頭の中で仕事中にしゃべっているのは,だいたい漫画のキャラクターです.
仕事に役立った漫画ランキングTOP10まとめ
今回のランキングはこうなりました.
1位『僕のヒーローアカデミア』
2位『宇宙兄弟』
3位『Dr.STONE』
4位『ONE PIECE』
5位『キングダム』
6位『ハイキュー!!』
7位『鋼の錬金術師』
8位『ワールドトリガー』
9位『GIANT KILLING』
10位『ブルーピリオド』
改めて見ると,一番多いのは「仕事の効率を上げる方法」ではありません.
人とどう向き合うか.失敗したあとどうするか.自分にできないことをどう扱うか.本気でやるとは何なのか.
そういう話ばかりです.
たぶん,仕事で最後に効いてくるのはテクニックだけではないんだと思います.
僕はこれからも仕事で失敗すると思います.人とも揉めるし,やりたくない仕事もあるし,自分よりすごい人を見て嫉妬もすると思います.
そのときに漫画の誰かを一人思い出して,もう一回動ければ十分です.
以上,ご清聴ありがとうございました.
