3歳は曜日や日付を理解できる?「月火水木金土日」は言える息子を研究した

3歳は曜日を理解できる?

「3歳児って,曜日や日付をどこまで理解しているの?」というテーマについて,ヌクレ博士が研究します.


この記事を書いた人

ヌクレ博士と家族
ボス3歳:電車・お魚・虫が好き
クイーン0歳:標準よりも大きい
ママ・パパ:子供たちが大好き

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うちのボス3歳は,「月火水木金土日」を順番に言えます.きっかけは,パパが好きなSHISHAMOの「明日も」を家でずっと歌っていたことでした.気づいたら曜日の並びを覚えていました.

さらに「土日はパパ休み」と教えているので,金曜日から土曜日,日曜日,月曜日あたりの流れはかなり分かっているように見えます.ところが週の真ん中になると急に怪しい.「水曜日の次は?」と聞いても,こちらが歌ってあげないと次が出てこないことがあります.

日付も似ています.「今日は何日?」に正解することはあるし,楽しみな予定を「今度」と言うと「何月?」と聞いてきます.でも,今日が何日だから旅行まであと何日,という計算はできていないようです.

曜日も日付も言える.でも,それを時間として自由に使えるわけではない.

この差が気になったので調べてみました.では蓋を開けてみよう.

「月火水木金土日」は言える.でも全部同じようには使えない

曜日の名前だけを見ると,ボス3歳はかなり覚えています.月曜日から日曜日まで順番に言えるし,「土日はパパが休み」ということもよく理解しています.

特に週末周辺は強いです.金曜日の次は土曜日,その次は日曜日,そして月曜日という流れはかなり明確に分かっているように見えます.一方で,火曜日や水曜日など週の真ん中は,こちらが歌ってあげないと次の曜日が出てこないことがあります.

ここが面白いところです.

「曜日を順番に言えること」と,「今日が水曜日だから明日は木曜日」と曜日同士の関係をその場で使えることは,同じ能力ではなさそうです.

曜日や日付を言えることと,時間の道具として使えることの違いを示した図

研究でも「暗唱できる」と「前後関係を使える」は別だった

調べてみると,この観察はかなり研究と相性がよかったです.

4〜6歳児の時間知識を調べた研究では,曜日などの慣習的な時間知識について,「曜日を知っていること」と,「ある曜日から前後へ柔軟にたどること」を分けて評価しています.曜日を順番に言えることがあっても,指定された曜日を起点に前後関係を答える成績は年齢とともに向上していました.

つまり,「月火水木金土日」と暗唱できるからといって,カレンダーを頭の中で自由に動かせるとは限りません.

2020年の時間知識に関するレビューでも,子どもは曜日や月について,まず言葉のリストとしての表現を作り,その後に曜日同士・月同士の位置関係や間隔を扱えるようになると整理されています.カレンダーの知識は,一気に完成するのではなく,順番を覚える段階と,関係を使える段階があるわけです.

ただし,これらの研究は英語圏や海外の子どもを対象にしたものです.ボス3歳へそのまま年齢を当てはめることはできません.それでも,「言える」と「使える」を分けて考える視点は,我が家の観察にはかなりしっくりきました.

「土日はパパ休み」は分かるのに,水→木は怪しい理由

ボス3歳を見ていると,曜日の理解は生活と結びついている場所ほど強そうです.

「土日はパパ休み」は毎週繰り返す出来事なので,土曜日と日曜日には本人にとってかなり強い意味があります.だから金曜日から週末,そして月曜日という流れは,単なる曜日の暗唱ではなく,生活のパターンとして覚えているのかもしれません.

一方で,週の真ん中は,歌の助けがないと単独で「次は?」へ答えにくいことがあります.週末ほど生活の予定と強く結びついていない可能性はありますが,ここはボス3歳の頭の中を確認できるわけではないので,あくまで僕の観察からの仮説です.

研究では,幼い子どもはまず,食事,入浴,就寝といった繰り返し経験する出来事の順番を手掛かりに時間を理解し,そこからより抽象的な時間体系を身につけていくと考えられています.

歌で覚えた曜日の並びと,「土日はパパ休み」という生活の実感が重なることで,週末周辺だけ先に曜日同士の関係まで使えるようになっているのかもしれません.

日付も「今日が何日か」と「あと何日」は別だった

日付についても,同じような段差があります.

ボス3歳に「今日は何日?」と聞くと,正解することがあります.具体的にいつ正解したかまでは覚えていませんが,幼稚園で毎日のように日付を言っているから覚えてきたのかなと思っています.

さらに最近は,楽しみな旅行などについて「今度行こう」と言うと「何月?」と聞いてきます.月を答えると納得します.一方で,「今日は○日だから,旅行まであと○日」という計算まではできていないようです.

ここでも,「今日の日付というラベルを知っていること」と,「日付と日付の間隔を使えること」は別です.過去の研究でも,4歳児は出来事が起きた曜日や月を正確に割り当てることが難しく,年齢とともに慣習的な時間軸を使った判断が改善していくことが示されています.

だから,「3歳で今日の日付を言えた=カレンダーを理解した」と考えるのは,ちょっと早そうです.逆に,全部分かっていないとも言えません.部分ごとに使えるものが増えている途中なんでしょう.

何度も聞くなら,何度でもそのまま教えればいいと思っている

僕は,ボス3歳が「何月?」「今日は何日?」「明日?」と聞いてきたら,一応ちゃんと答えています.本人が一生懸命聞いているからです.

一度で全部理解してもらおうとは思っていません.曜日も日付も,大人からすると当たり前すぎますが,7日で一周する曜日と,月ごとに日数が違うカレンダーを頭の中で扱うのは,よく考えたらかなり高度です.

しかも,楽しみな予定ほど何度も聞いてきます.「今日10月?」みたいに毎日のように確認されると,たぶんまだ完全には分かっていないんだろうなと思います.でも同時に,「そんなに楽しみなんだ」とちょっとうれしいです.

答えを知っていそうなのに同じ質問を何度もすること自体は,以前の記事でも別に研究しています.今回の「何月?」は時間を本当に確認している面もありそうなので,同じ理由だとは決めつけていません.

→ 3歳はなぜ同じ質問を何度もする?答えを知っているのに聞く息子を研究した

今の僕の結論は,「曜日や日付を覚えたか」は○か×かでは判定できない,です.ボス3歳は曜日の並びを言えるし,週末の意味も分かるし,今日の日付を当てることもある.でも,曜日のどこからでも前後へ動いたり,日付から残り日数を計算したりするのはまだ別の話です.

子どもって,こうやって時間を部分ごとに覚えていくんですね.大人には当たり前すぎる仕組みを,一つずつ組み立てていると思うと普通にすごいです.

以上,ご清聴ありがとうございました.

参考文献・参考資料

・Scales ML, Pathman T. “Flexible retrieval of semantic knowledge predicts temporal memory, but not memory for other types of context, in 4-6-year-olds.” Cognitive Development. 2021;59:101080. doi:10.1016/j.cogdev.2021.101080

・Labrell F, Câmara Costa H, Perdry H, Dellatolas G. “The Time Knowledge Questionnaire for children.” Heliyon. 2020;6(2):e03331. doi:10.1016/j.heliyon.2020.e03331

・Pathman T, Larkina M, Burch MM, Bauer PJ. “Young Children’s Memory for the Times of Personal Past Events.” Journal of Cognition and Development. 2013;14(1):120-140. doi:10.1080/15248372.2011.641185